口腔機能管理 情報サイト
歯科医療に携わる方のための情報サイトです

令和8年度 診療報酬改定に対応

対象疾患 口腔機能低下症 口腔機能発達不全症

口腔機能管理を、
無理なく、
わかりやすく。

制度のこと、検査のこと、院内での進め方。
はじめて取り組む方にもわかるように、順番にまとめました。

01 全体を知りたい

まず、全体像をつかみましょう

対象となる疾患、診療の流れ、保険改定の要点をひと続きで確認できます。

対象疾患

このサイトで扱う2つの疾患

成人・高齢者

口腔機能低下症

噛む・飲み込む・話すなど、お口の機能の低下を検査し、継続して管理します。

小児

口腔機能発達不全症

食べる・話すなど、お口の機能の発達を確認し、成長に合わせて支えます。

全体像 1

口腔機能管理は、「食べる」「話す」を測って支える診療です

患者さんの小さな変化に気づき、検査し、結果を伝え、継続して見守ります。

1

気づく

問診や会話から、噛みにくさ・むせ・話しにくさなどを見つけます。

2

測る

疾患と発達段階に合う検査・評価で、今の状態を確認します。

3

伝える

結果と目標を、患者さんが普段使う言葉で説明します。

4

続ける

日々の練習を提案し、定期的にもう一度測って変化を見ます。

口腔機能低下症は「7項目のうち3項目以上」で診断

口腔衛生、口腔乾燥、咬合力、舌や唇の動き、舌圧、咀嚼、嚥下のうち、3項目以上に当てはまるかを確認します。

口腔機能発達不全症は、発達段階に合うチェックリストで確認

離乳完了前はチェックリストのC-1〜C-10で2項目以上、離乳完了後はC-1〜C-12で2項目以上に該当し、C-1〜C-6を少なくとも1項目含む場合に診断します。

全体像 2

令和8年度の保険改定で、何が変わったの?

はじめる前に知っておきたいことを、3つに絞りました。

01 検査を始めやすく

主な検査で、施設基準の届出が不要になりました

必要な測定機器の導入に加え、施設基準の届出や『口腔機能低下症』等の診断・管理計画などの要件を満たすことで、保険適用での検査・算定が可能となります。

02 成人・小児とも2つに

管理料1・2の分かれ方は、疾患ごとに異なります

成人は対象検査の算定有無、小児は評価項目の該当数によって、90点と50点に分かれます。

03 衛生士さんの指導

実地指導が、ひとつの点数として評価されます

所定の研修を受けた歯科衛生士による指導は46点です。算定には施設基準の届出が必要です。

保険算定を詳しく見る

検査と評価

疾患に合わせて、何をどう確認するの?

成人の7つの検査と、小児の発達段階に合わせた評価を分けて確認できます。

成人・高齢者

口腔機能低下症:7つの検査

項目を開くと、検査方法・基準値・検査機器を確認できます。

01 口腔衛生状態不良 お口の中の汚れや細菌の状態を調べます。
検査方法
舌苔付着度(TCI)、または口腔細菌定量検査
当てはまる目安
TCI 50%以上、または 3.162×10⁶ CFU/mL以上
検査機器
口腔細菌定量検査には、口腔内細菌カウンタが必要
02 口腔乾燥 お口のうるおいや、唾液の量を調べます。
検査方法
口腔水分計、またはサクソンテスト
当てはまる目安
27.0未満、または2分間で2g以下
検査機器
口腔水分計は、ムーカスが必要
関連商品
Ciモールから購入できます
03 咬合力低下 噛む力、または残っている歯の本数を確認します。
検査方法
咬合力検査(優先)、または残存歯数
当てはまる目安
機器ごとの基準値未満、または残存歯数20本未満
検査機器
方法により不要
04 舌口唇運動機能低下 「パ」「タ」「カ」を繰り返し、舌や唇の動きを見ます。
検査方法
オーラルディアドコキネシス
当てはまる目安
どれか1つでも6回/秒未満
検査機器
なくても実施できます
関連商品
Ciモールから購入できます
05 低舌圧 舌で上あごを押す力を測ります。
検査方法
舌圧測定器で最大舌圧を測定
当てはまる目安
30kPa未満
検査機器
必要です
06 咀嚼機能低下 グミを噛み、食べ物を細かくする力を調べます。
検査方法
咀嚼能力検査、または咀嚼能率スコア法
当てはまる目安
100mg/dL未満、またはスコア0・1・2
検査機器
方法により不要
関連商品
Ciモールから購入できます
07 嚥下機能低下 質問票で、飲み込みにくさを確認します。
検査方法
EAT-10、または聖隷式嚥下質問紙
当てはまる目安
EAT-10は合計3点以上、またはA項目が1つ以上
検査機器
必要ありません
小児

口腔機能発達不全症:発達段階に合わせた評価

保険算定では18歳未満が対象です。離乳完了の前後でチェックリストを分け、問診と診察を基本に、必要に応じて数値も測ります。

01 離乳完了前:食べる機能 哺乳や離乳の進み方を、問診と診察で確認します。 基本は問診・診察
確認方法
口唇・歯槽・舌小帯の状態、乳首の含み方、授乳時間・量・回数、首の据わり、スプーンの押し出し、離乳の進み方を確認
診断・評価の目安
離乳完了前チェックリストのC-1〜C-10で2項目以上に該当
機器
基本は問診・診察
02 離乳完了後:食べる機能 噛む・飲み込む・食べる様子を確認します。 基本は問診・診察
確認方法
歯の萌出、歯列・咬合、う蝕、咬みしめ、咀嚼時間・偏咀嚼、舌の突出、食べる量や回数のむらを確認
診断・評価の目安
離乳完了後チェックリストのC-1〜C-12で2項目以上に該当し、C-1〜C-6を少なくとも1項目含む
機器
基本は問診・診察
03 話す機能 発音や、口唇・舌の使い方を確認します。 基本は問診・診察
確認方法
離乳完了前は安静時の口唇閉鎖を確認。離乳完了後は構音の異常、口唇閉鎖、口腔習癖、舌小帯の状態を問診・視診で確認
診断・評価の目安
食べる機能の項目と合わせ、発達段階や成長の経過を踏まえて診断
機器
基本は問診・診察
04 その他の機能 体格や呼吸など、発達に関わる状態も確認します。 基本は問診・診察
確認方法
体格、口腔周囲の過敏、口呼吸、口蓋扁桃等の肥大、睡眠時のいびき、低舌圧などを発達段階に応じて確認
診断・評価の目安
「その他」の項目は、管理が必要かを判断するために確認。診断条件は「食べる」「話す」の該当項目で判定
機器
基本は問診・診察
05 必要に応じた数値評価 口唇を閉じる力や舌の力を測ります。 測定には専用機器
確認方法
口唇閉鎖力検査、舌圧検査など
診断・評価の目安
年齢・性別の標準値と成長の経過を踏まえて総合的に判断
機器
測定には専用機器

保険算定

診断後の管理・指導まで、保険で評価されます

成人と小児それぞれについて、管理料に加えて算定できるリハビリや実地指導を、流れに沿って確認できます。

成人・高齢者

口腔機能低下症

学会の診断基準で口腔機能低下症と診断された患者さんが対象です。

対象となる検査を算定した場合

口腔機能管理料 1

90 点

対象5検査のうち、どれか1つ以上を算定した場合です。

対象となる検査を算定していない場合

口腔機能管理料 2

50 点

診断を行っていて、口腔機能管理料1の対象となる検査を算定していない場合はこちらです。

管理料1の対象となる5つの検査

  • 咀嚼能力検査
  • 咬合圧検査
  • 口腔粘膜湿潤度検査
  • 舌圧検査
  • 口腔細菌定量検査

※咀嚼能力検査、咬合圧検査:区分1のみが対象
※口腔細菌定量検査:区分2のみが対象

1

診断後の管理

口腔機能管理料 1・2

90点/50点 月1回まで

2

訓練・指導

歯科口腔リハビリテーション料3

50点 月2回まで

3

歯科衛生士による実地指導

口腔機能実地指導料

46点 月1回まで・施設基準あり

18歳未満

口腔機能発達不全症

口腔機能の獲得を目的に、評価に基づく管理計画を作成して管理する患者さんが対象です。

評価項目に3項目以上該当

小児口腔機能管理料 1

90 点

評価項目に3項目以上当てはまる場合です。

評価項目に2項目該当

小児口腔機能管理料 2

50 点

評価項目に2項目当てはまる場合です。

1

診断後の管理

小児口腔機能管理料 1・2

90点/50点 月1回まで

2

訓練・指導

歯科口腔リハビリテーション料3

50点 月2回まで

3

歯科衛生士による実地指導

口腔機能実地指導料

46点 月1回まで・施設基準あり

算定前に確認すること

  • 歯科口腔リハビリテーション料3と口腔機能実地指導料は、同日の指導内容が重複する場合、口腔機能実地指導料を算定できません。
  • 口腔機能管理料・小児口腔機能管理料は、歯科疾患管理料または歯科特定疾患療養管理料を算定した患者さんが対象です。
  • 口腔機能実地指導料には、研修を受けた歯科衛生士の配置などの施設基準と届出が必要です。

点数・主な算定要件は2026年9月10日時点の情報です。ここに示した内容は算定項目の全体像です。患者さんの状態や実施内容によって算定できる項目は異なるため、実際の算定前には最新の点数表・通知・疑義解釈をご確認ください。

医院での始め方

小さく始めて、続けられる形に

大切なのは、機器を買うことだけではありません。いつもの診療に入れられる流れを、先に作っておきます。

  1. 1

    流れを決める

    どの患者さんに声をかけ、いつ検査し、誰が説明するかを決めます。

  2. 2

    必要なものをそろえる

    最初から全部でなくても大丈夫です。医院に合う検査から始めます。

  3. 3

    スタッフで試す

    スタッフ同士で測り、検査の順番や記録のしかたをそろえます。

  4. 4

    患者さんに知らせる

    院内に案内を掲示するなど、患者さんに周知します。デジタルサイネージやSNSなどの有効活用も重要です。

  5. 5

    少人数から始める

    まずは数名で試し、無理なく続けられる形に整えてから広げます。

患者さんへの声かけ例

「最近、硬いものが食べにくくなったり、食事中にむせたりしませんか。
 噛む力や飲み込む力を調べる検査があります。」

病名よりも、患者さんが普段感じていることから話すと伝わりやすくなります。

口腔機能管理サポートシステム モグパル

こんなお悩み、ありませんか?

口腔機能管理を始めたいけれど、院内での進め方や記録に困っている。そんな声に寄り添うのがmogpal(モグパル)です。

01

スタッフによって、検査や説明の進め方が違う

02

検査結果の整理や、計画書づくりに時間がかかる

03

患者さんに合うトレーニングを案内しにくい

検査・記録・説明を、わかりやすくひとつに。
mogpalの機能や使い方、仕様に関するお問い合わせ等は、こちらの詳細ページをご覧ください。

mogpalの詳しいページを見る

※ mogpalは歯科医院での導入・運用を支援するシステムです。診断や治療方針は、歯科医師等の専門的判断に基づきます。

よくある質問

始める前に、よく聞かれること

Q すべての検査機器をそろえないと始められませんか?
A

いいえ。成人の診断には、質問紙・舌苔の確認・残存歯数など、専用機器を使わない方法も示されています。小児は問診と診察を中心に発達段階を確認し、必要に応じて口唇閉鎖力や舌圧を測ります。なお、成人の口腔機能管理料1には対象検査の算定が必要です。

Q 歯科衛生士だけで検査できますか?
A

歯科医師の指示のもとで、歯科衛生士が測定・記録や患者さんへの説明を担うことがあります。診断と管理計画の作成は歯科医師が行い、職種ごとの役割を院内で決めて進めます。

Q 施設基準の届出は必要ですか?
A

咀嚼能力検査・咬合圧検査・口腔細菌定量検査は、令和8年度改定で施設基準が撤廃されました。一方、口腔機能実地指導料には、研修を受けた歯科衛生士の配置などの施設基準があり、届出が必要です。

Q 管理は毎月行わなければいけませんか?
A

口腔機能管理料は月1回まで算定できますが、毎月の算定が義務という意味ではありません。患者さんの状態に合わせ、定期メインテナンスの中で続けやすい間隔を考えます。

Q 患者さんには、どう声をかければよいですか?
A

病名からではなく、生活の変化から伝えるとわかりやすくなります。たとえば「最近、硬いものが食べにくくなったり、食事中にむせたりしませんか。噛む力や飲み込む力を調べる検査があります」と案内できます。

Q 始めたあと、続かなくなったときは?
A

定期メインテナンスとは別の予約にしていないか、記録に時間がかかりすぎていないかを見直します。今ある診療の流れに組み込み、記録用紙や入力場所をひとつにそろえると続けやすくなります。