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なぜ治療しても痛みが取れないの?

根尖性歯周炎を正しく理解して歯科衛生士としての対応力を高める

更新日:2025.8.4


歯内療法後の患者が「まだ違和感がある」と訴えることは少なくありません。原因のひとつとして挙げられるのが「根尖性歯周炎」です。根尖性歯周炎の基礎知識と、臨床での対応ポイントを解説します。

根尖性歯周炎とは何か

根尖性歯周炎とは、歯の根の先端(根尖)に炎症が生じる疾患で、主に根管内の細菌感染が原因です。未治療の深いう蝕や、根管治療の不備により感染が持続すると、歯根膜や周囲骨に炎症が波及します。急性と慢性の病態があり、急性では強い自発痛や咬合痛、慢性ではフィステル形成や無症状の場合もあります。

歯周病との類似点に注意

歯科衛生士として、歯周組織の健康管理だけでなく、歯内と歯周の関連疾患にも理解を深めることは重要です。特に、根尖性歯周炎は歯周病と症状が類似しており、鑑別が求められます。
たとえば、歯周ポケットは深くないのに腫脹や排膿があるケースでは、根尖性病変を疑うべきです。レントゲン読影や歯髄診断の補助を通して、診断の一助になることが期待されます。

現場での観察ポイント

根尖性歯周炎が疑われる症例において、注意深く観察すべきは以下の点です。

  • ポケットの深さと一致しない腫脹の有無
  • 咬合痛や打診痛の有無
  • 歯肉からのフィステルの形成とその部位
  • 過去の根管治療の有無と詰め物の状態

これらの情報は、歯科医師の診断や治療計画の立案に大きく貢献します。

根尖性歯周炎への関与がもたらす専門性の向上

歯科衛生士が根尖性歯周炎についての知識を持ち、臨床での観察力や報告力を高めることは、チーム医療の質を向上させます。特に、根管治療後の予後観察や、歯周治療との関連を意識した対応は、患者満足度の向上にもつながります。

まとめ

根尖性歯周炎は見落としやすい疾患ですが、歯科衛生士がその特徴を理解し、早期発見や術後の観察に貢献することで、より質の高い医療を提供することが可能です。根管治療と歯周の架け橋としての視点を持ち、歯科医師と連携していきましょう。

図解:根尖性歯周炎の発症メカニズム(イメージ)

※図はイメージ。実際はレントゲンやCBCTによる評価が必要。

臨床対応チェックリスト:根尖性歯周炎が疑われるとき

以下のチェック項目をもとに、衛生士としての観察・報告を行いましょう。

観察項目 チェック
歯肉の腫脹がある(ポケットとは無関係)
嚙んだ時に痛みがある(咬合痛)
歯肉に小さな膿の出るフィステルがある
歯周ポケットは浅いのに排膿している
患者に根管治療歴がある
レントゲンに根尖透過像が見られる
冷温診で反応が鈍い、もしくは消失
歯髄電気診で無反応

▶ 3項目以上該当する場合:根尖病変の可能性
▶ 経過観察中の患者にも:根管治療後の定期チェックで使用可能です。

歯周病と根尖性歯周炎の鑑別ポイント

歯周病と根尖性歯周炎は、膿・腫脹・動揺といった症状が似ており、混同しやすいですが、鑑別のための明確な指標があります。以下の表で違いを整理しましょう

判別項目 歯周病(歯周炎) 根尖性歯周炎
ポケットの深さ 局所または全顎的に深い 原因歯周囲は浅いことが多い
プラークの付着 明確に認められる 少ない/関与しないことが多い
歯肉の炎症反応 赤く腫脹、出血しやすい 局所的で出血は伴わないことも
動揺度 複数歯にみられることが多い 原因歯のみ(急性期は一時的)
レントゲン所見 垂直性/水平性骨吸収 根尖部の限局性透過像
フィステルの位置 歯頚部近く(歯周ポケットと連続) 根尖に近い位置(ポケットと非連続)

歯周ポケット検査とバイタルサインの確認(冷温診・電気診)が、鑑別の重要なカギになります。

CBCTで読み解く根尖性病変の見え方

CBCT(コーンビームCT)は、従来のデンタルX線では把握しきれない三次元的な情報を得ることができます。特に根尖性歯周炎では、骨内の変化やフィステルの進行方向を正確に把握でき、治療方針に大きく影響します。

● CBCT読影の基本ポイント(歯科衛生士向け)

確認項目 見るべき所
根尖部の透過像 根尖周囲に黒く抜けた領域があるか
骨吸収の広がり 単根か多根か、隣接歯への影響の有無
根尖の穿孔や破折の疑い 根管の異常な拡大、境界不明瞭な画像
歯槽骨の厚みとフィステルの走行方向 根尖から頬側/舌側に貫通しているか

歯科衛生士が直接診断することはできませんが、観察力と報告力が治療精度を左右します。

🔍ポイントまとめ

  • 根尖性歯周炎は歯周病と混同しやすいため、ポケット検査・既往歴・フィステル位置を丁寧に観察。
  • CBCTは根尖病変の評価に有効であり、歯科衛生士も立体的な読影感覚を養うことで報告精度が上がる。
  • 歯科医師との連携において、「いつ・どこで・どんな異常があったか」を明確に伝えることが信頼につながる。