介護のちから|日々の介護の豆知識
まさかの時に備える!要介護者の防災食!
更新日:2025.8.12

理解しないといけない健常者との防災食の違い
視点 | 健常者 | 要介護者 |
---|---|---|
食事の自立度 | 自分で開封・調理・摂取が可能 | きざみ食、ソフト食、とろみ付けなど個別対応が必要 |
食事形態 | 明確に認められる | 少ない/関与しないことが多い |
栄養管理 | バランス重視(タンパク質・食物繊維等) | カロリー・水分・塩分制限・栄養補助食品の使用 |
食事のタイミング | 柔軟に調整できる | 規則正しく、服薬との調整も必要 |
食事用具 | 汎用品 | スプーンや持ち手付き食器、吸い飲みなど工夫が必要 |
要介護者向け備蓄品としては何が最適なのか?
- とろみ調整食品、介護用レトルト(ソフト食、ムース食)
- とろみ付き飲料(水分補給ゼリー・とろみ茶)
- 嚥下調整食(学会分類2021に準拠)
- エネルギー補給ゼリー(200kcal程度/個)
- 高栄養飲料(エンジョイゼリー、メイバランス等)
- ストロー・吸い飲み・パックカッター
ポイント:要介護者には「誰が食べさせるか」「どう調理するか」を明確にして備蓄を選定する必要があります。
実際の運用提案(事業所視点)
① 個別対応表の整備
- 要介護者ごとに「食事形態・注意点・必要な備品」のリストを事前に用意
- 例:Aさん→学会分類4(ミキサー食)、とろみ必要、1人介助で可
② 備蓄品の見直しとローテーション
- 普段の食事の一部をローリングストック(定期的に消費し買い足す)で運用
- 例:1人3日分×食数(朝昼夕×3日分)+職員分も備蓄
③ 食事介助・配膳の訓練
- 避難所や施設内での想定訓練で、実際に配膳・介助を行う
- とろみの付け方、レトルト加熱の方法、食器の準備など
④ 衛生用品の併備
- 使い捨て手袋、紙皿・スプーン、ラップ、消毒スプレー、ウェットティッシュ
- 特に介助者用の衛生管理に注意
要介護者の「食べられない」を防ぐ工夫
- 食べ慣れた味を用意(例:おかゆ、みそ汁、煮物風味など)
- 食器の色や形を工夫(白い食事に白い皿では見分けがつかない)
- 「嚥下困難」や「食欲不振」への備えとして栄養補助ゼリーや濃厚流動食を追加
ローリングストックの重要性
なぜ要介護者の食事備蓄にはローテーションが重要か?
理由 | 説明 |
---|---|
消費期限が短い商品が多い | ムース食やとろみ食品は1年未満の賞味期限が多い |
日常と異なる食事は拒否する可能性が高い | 食べ慣れたものを備蓄することが重要 |
個別対応の重要性 | 嚥下レベル・食事形態が個人差大。常備品の選定も個別にする必要あり |
災害時に新しいものを用意できない | 手元にある「いつもの食事」が最も安心で安全 |
備蓄食品の具体例(ローテーションしやすいもの)
分類 | 商品例 | ローテーションのポイント |
---|---|---|
ムース食 | キユーピー やわらか食、スマイルケア食 | 週1回の昼食で実際に提供し在庫確認 |
栄養ゼリー | エンジョイゼリー、メイバランスゼリー | 間食やおやつで提供→翌日補充 |
とろみ飲料 | 濃厚とろみ茶、飲むゼリータイプ | 夏場に熱中症予防としても活用できる |
高栄養流動食 | アイソカル、アクトカル | 飲みきりタイプは期限が短いので優先して使う |
嚥下調整食品 | 嚥下訓練ゼリー、ソフティアなど | 定期的に訓練用に使用すれば実用と消費が両立 |
要介護者向けローテーション備蓄の5か条
1. 使う前提で備える(消費を前提に)
2. 食べ慣れた物・安全に食べられる物を選ぶ
3. 食形態に合った個別対応が不可欠
4. 記録と見える化が継続の鍵
5. 「備える日常」を仕組みに組み込む